理事長 荒木 和子

staff_img01.jpg万華鏡は文明だ。
文明以外に、世界に、何がある。
文化。自然。超自然。
万華鏡という文明を、ブリュースター博士が発明したのは、1816年。
万華鏡がこの青い星に出現して今年でちょうど200年。
その200年間に、
万華鏡の発する赤は、満州曠野の夕焼けを、超えたか。
青は、モストワヤ街のパン屋の売り子、ソーニャの眼の色に、迫ったか。
緑は、釧路郊外の草っ原を、超えたか。
余情は、雄別炭山の月夜を、超えられたか。
 
万華鏡作家たちは工房で、地球のそなえた天然と等価になろうと研鑽している。
日本の美意識の伝統である侘び寂びをふくんだ色調は、超自然でなければならない。
オリオン大星雲の、桃色と菫色のかすみ合い!
アンドロメダ銀河の、名の知れない色の渦!
やがて万華鏡は、この地球を飛び発って、星雲の衝突や崩壊や誕生の、人知の知らない色彩を映すだろう。
昔館に届けられる新作は進化してやまない。
200年前、ブリュースター博士は、この真理を直感していたはずだ。
さあ、博士に代って、万華鏡の到達する、天技の壮麗に、立ち会おうよ。
「昔館」の軌跡&「万華鏡」の魅力